ハイブランドと年齢
財布を新調した。グッチの長財布。
社会人になってからグッチのお財布を愛用しはじめて3代目の財布になる。
私にはハイブランドはずっと不相応だと思っていて、でも仕事をがんばる動機になるからと思って財布だけはいいものを買ってきた。
ただし、デザインがぱっと見でグッチとわからないようなものを選んでいた。
今回も極力「いかにもハイブランド」は避けようと決めてお店に向かった。
声をかけてくれた店員さんと話してると、展示されてるベーシックなタイプのものではなく、ディオニュソスという酒の神を型どった金具付きのものとか、どぎついバイカラーのパイソン柄のものなどすごく個性的なものを裏から出しては私に薦めてきた。
私はそれを「はぁ…素敵っすね」と適当に相づちを打ちながら聞いていた。
「お客様にはそちらのシンプルだったりかわいらしいものより、ぜひこちらのようなお財布をかっこよく持っていただきたいです!」と言われ、はっとした。
私もう若くないんだった、と。
大学生の頃、母のお下がりのブランド物のバッグを使っていると周りからセレブかよwwwと小馬鹿にされたが、今は私が何を持っていても馬鹿にしてくる人はいない。
逆に同世代の周りの人がいかにもハイブランドを持っていても、あら素敵ね、くらいにしか思わなくなっている。
年齢は確実に重ねているのに、自分はまだハイブランドが似合わない小娘だという気持ちだけが取り残されてるということにようやく気付いた。
もう若くないというのは重々承知していて年齢相応に生きているつもりでいたけど、こんなところに私の「まだ若い」という思い込み・願望が残されていたなんて恥ずかしい…
私は酒の神モノグラムの財布を購入した。
年を取ってもハイブランドを買い漁ろうという気持ちはないけど、これからは年齢相応にみすぼらしくない物を持って生きていこうと思う。